夏においしい冷たい無加塩ごはん
段々暑くなってきたので、夏の定番無加塩料理をご紹介します。なんとも名前の付けづらい、冷や汁の味噌なし版というか、冷製野菜すまし汁のようなものなのですが、夏野菜がたくさん食べられて、材料次第で雰囲気も変えることが出来、飽きがこず毎日でも食べたい、というか盛夏はほんとに毎日作ってるお料理です。
≪基本の作り方≫
- だしを取って冷やす
- 野菜を賽の目に切る
- 切った野菜をだしに入れて冷やす
改めて書いてみるとめちゃくちゃ簡単だったので、各工程のポイントをご説明します。
1.だしを取って冷やす
冷たい料理なので、あまり直前にだしを取ってしまうと当たり前ですが冷めません。生ぬるい状態だとあんまり美味しく無さそうなので、事前にとって冷やしておくと良いかと思います。とは言うものの、ギリギリ17時くらいに取って水と保冷剤で急冷→冷蔵庫のチルド、で19時頃には美味しく冷たく頂けるくらいまで冷えます。冷たいとだしの香りは立ちませんが塩味を強く感じるので(無加塩ですがだしにも若干塩分が含まれている)、あたたかいだしより物足りなさは軽減されるのではと思います。あたたかいふんわり香るだしも良いけど、冷たいだしもスッと透明感があっておいしい。
2.野菜を賽の目に切る
夏の料理なので夏野菜が主です。キュウリ(安い)とトマト(味が出る)をベースに数種類、水茄子、茹でたスナップえんどうやモロッコ、パプリカ、ズッキーニ、オクラ、トウモロコシなどが定番ですが、蒸し(焼き)茄子、コリンキー、豆類(大豆、枝豆、スプリットピーなど)、水菜など、なんでもあるもの入れて良いと思います。豆類は入れると満足度がぐんと上がりますし、押し麦や丸麦なども茹でて入れるとモチプチっとした食感が良いかんじ。豆腐崩して入れたりね。別にベジ料理じゃないので(鰹節使ってるし)茹でた海老とか薄焼き卵とかも良いかもしれない。あとお好みで香味野菜を入れると味の面でグッと満足度が上がります。大葉、玉ねぎ、茗荷、生姜、わさび(ホースラディッシュ)、胡麻、青唐辛子、柑橘類(柚子、スダチ)などなど。うちの庭には大葉が毎夏茂るので(というかこれに使うから引っ越しする度に茂らせるようにしている)、大葉は必ず入れます。あとはあるものと気分で!青唐辛子は、福耳唐辛子という中辛の唐辛子がすごくよく合います。ピリッと爽やかに程よく辛い。ただ長野県に住んでるときはどこにでも売ってたのに、以降大阪・福井・三重では見かけません。ハラペーニョも良いです。コーレーグスや山うに、かんずりといったご当地辛味調味料もおすすめ。柑橘類は搾ってもいいですが、すだちそばみたいに薄いスライスを上に並べても、見目麗しく良いですね。
無加塩料理全般に言えることですが、ひとつの料理に使う材料は多ければ多いほど美味しくなります。それぞれの食材が持つ風味や食感が複数重なり合うことで、塩味がなくとも複雑な「味」になります。まぁでも3~4種入ってたら大丈夫、でもより美味しくするなら色々入ってれば入ってるほど良い、という感じ。また、無加塩料理はえてして、香り・辛み・酸味が塩味のなさからくる物足りなさを補ってくれます。前述したように香味野菜はそういう意味で非常に重要です。ごま油など香りの良いオイルを垂らすのも良いですね(ただモノが冷たいので、冷たくても固まらない油で)。
3.切った野菜をだしに入れて冷やす
これは特に書くことないけど、ただ一つ書くとしたら、切った野菜をボウルにまとめて入れてそこにだし汁を注いで出来上がり、というよりは、だしが入ったボウルに順次切ったそばから入れていく、の方が美味しいような気がする。というのはなんか、だしの中である程度馴染ませた方が美味しいのでは、という感じがしませんか。特にトマトは序盤に切って入れとくのが良い、ような気がする。この辺はあやふやです。まぁその日の他の料理の手順との兼ね合いもあるしてきとうに!
うち夏場は下手したらほんとこれとあと1品くらいで夕食済ますけど、これが美味しすぎて毎日しあわせ。今日は辛めに寄せよう、酸味に寄せよう、甘い野菜が多いから丸くまとめよう、透明感のある感じ、オイリーな感じ、青っぽい感じ…などなど日によって雰囲気いろいろ変えられて楽しいです。それをドーンと受け止めまとめ上げる昆布・かつおの合わせだしの器のでかさよ。冷たくてさっぱりしていて、暑い盛りでも気持ちよく食べられます。材料によっては茹でたり切ったり地味な手間はあるけど、温菜と違って食事開始の時間に合わせて仕上げしなくていいから気持ちとしては非常に楽ちん。とってもおすすめです!
生魚を柑橘で締めたセビーチェがウマイ
昆布締めに継ぐ生魚の無加塩調理の正解を発見した気がしたのでご紹介します。
すだちとか柚子とか柑橘系が沢山あったので、酢締めの酢の代わりに使ったら美味しいんじゃなかろうかと思いついて検索すると、セビーチェという料理(wikipedia:★)が見つかりました。幾つかページを見てみたところ、どうやら白身魚をレモンやライムの果汁と、玉ねぎ等の香味野菜と、オリーブオイル・塩等で和えたもののよう。たまたま大阪の直売所で買ったライムがあったので、ライムで作ってみました。魚は白身が良いようだけど、スーパーので売ってた柵がヒラメとヒラマサだけで、ヒラメだけで作ると高く付きそうだったためヒラマサも。ヒラメ高い言うても1パック300円台だしヒラマサなんて質量倍くらいのパックで同じくらいだし、2人分で800円いかないって海辺の町は良いですね!ちなみにこれは我が家のクリスマスのディナーです。
- ヒラマサとヒラメのセビーチェ
- 材料:ヒラマサ、ヒラメ、玉ねぎ、セロリ(茎・葉)、ロメインレタス、キュウリ、紅芯大根(みたいなやつ)、青唐辛子(福耳かバナナ南蛮)の酢漬け
- 調味:ライム果汁、オリーブオイル、黒胡椒
刺身は厚めに切って、玉ねぎは超微塵切り、セロリも細かく刻み、キュウリは角切り、大根は薄切りのいちょう切り、青唐辛子もめっちゃ細かく刻んで。にんにくも入れよかな~と思ったんだけどド平日だったのでやめました。ライム果汁とオリーブオイルでよく和えて、15分くらい冷蔵庫で寝かすと、魚の表面が霜降りしたみたいに白くなります。そんなにしっかり締まってないので酸っぱすぎないし、ライムの爽やかな香りと酸味を感じつつ、魚そのものの味もしっかり味わえて、むっちゃウマイ。大丈夫かなあと思ってたヒラマサも馴染んでいるし、野菜ともよくまとまっていて、ひとくちひとくちが楽しい。ヒラメもヒラマサも、切りながらちょっと味見してみたら余りに美味しかったので、これ失敗だったらむちゃくちゃヘコむな…と思っていたのですが、ヘコまずに済みました。野菜もだけど、もともと美味しい材料に手を入れるのは緊張しますね。
締まるのが早くなりそうだから時間を調節した方が良いだろうけど、もっと魚も野菜も細かく切って、茹でた麦や玄米、豆類入れたりしても美味しそう。魚や柑橘、香味野菜の組み合わせで色々楽しめそうで嬉しいです。
ちなみにこの日の他のメニューは以下の通りです。
大根炊いたら何日か食べられるけど、最後は小麦粉はたいて油で焼くのが好き。今回は柔らかめに炊いたけど、焼くんだったらもうちょい硬めが良いな。
粕汁は、なんと生まれて初めて作る粕汁でした。週末酒粕相次いで貰ったので、エイヤッと作ってみた。鰤とか良いやつあれば良かったんだが、なかったので、まぁ多分動物性の脂があれば良いんだろ、と猪ミンチ少し入れてみた。酒粕入れる量が難しいですね。入れすぎてどろどろになったけど、これはこれで、粕汁ではなく粕煮込みだ!と思うとアリな気がした。気がしただけかもしれないけど。美味しいのは美味しかったです。
日野菜のこと
先日美山の道の駅で、1束150円で売られていた日野菜を買った。細い大根のような根は、根元が美しいすみれ色で、そこから濃い紫色の茎と深い緑の葉が伸びている。どうやって食べるんですか、炒めたりしても食べられますか、と売っていた人に聞いたところ、葉も根も漬物やね、炒めて食べるのは聞いたことないね、とのことだったが、まぁピクルス的に酢漬けにしても良いだろう、と思って買ったのだった。1束4本か5本くらい入ってたので150円は安い。調べてみると滋賀県の伝統野菜らしく、草津で多く生産されているそうです。
日野菜 - 食材紹介
<写真>日野菜のピクルスと蕪のサラダ(材料:日野菜のピクルス、蕪、紅オクラ、水菜、トマト、生姜/調味:ピクルス液、ワインビネガー、黒胡椒)
まず作ったのはピクルス。いつも酢多すぎてちょっと酸っぱすぎる感じになってしまうので今回は控えめに。とりあえずまず日野菜の根と紅芯大根漬けて、翌日取り出し、ちょっと薄まったピクルス液に蕪と日野菜の葉を入れて、こっちはそのまま漬けっぱなし。後発の蕪や日野菜の葉は、ピクルスというほどでもなくサラダに毛が生えたくらいの漬かり方で食べやすい。日野菜と紅芯大根から出た赤紫色が、蕪にもほんのりついてきれいです。分量としては千鳥酢100ccにだし200ccくらいかな。にんにくや生姜は潤沢に在庫があったので今回初めて入れてみたけど、香りでて良い感じ。にんにくはちょっと多いかなと思いつつ半端に残したら使いにくいから小さめの1カケ3等分くらいに切って。唐辛子もちょっと多めに入れたので、お酒のアテに良い感じの仕上がりになりました。日野菜は思ったよりくせがなく、蕪と大根の真ん中くらいの硬さで美味しいです。水菜やモロッコいんげんと和えてサラダにして食べてました。
- 日野菜の炒めもの①
- 材料:日野菜(根、葉)、じゃがいも、にんじん、生姜
- 調味:ごま油、昆布とかつおのだし
- 日野菜の炒めもの②
- 材料:日野菜(根、葉)、薄揚げ、玉ねぎ、生姜、黒ごま
- 調味:ごま油、昆布とかつおのだし、鷹の爪
売ってた人にはすげなく却下された炒めものだけど、まぁ試しにやってみるか、と作ってみたら意外にとても美味しかったので2回やった。油と相性良いのかな。蕪や大根の葉を炒めるときの感じで調理したけど、蕪より大根よりくせがなく美味しい。根の部分も歯ごたえ残って良い。この根の食感は他にあんまり無い感じで、すごく気に入った。これはかなりアリ。もし日野菜が1本しかなかったら炒めものにするな。2本でも炒めものだな。3本あったら1本はピクルスか漬けずにそのままサラダだな。ていうくらい。伝統野菜だけあって、県外に住んでて日常的に手に入る野菜ではないけれど、見かけたら是非また買いたいです。
2018年10月5日(金)夕ごはん
- 焼き茄子と獅子唐の冬瓜崩し汁
- きゅうりと酢玉ねぎのサラダ
- 材料:キュウリ、トマト、オクラ、酢玉ねぎ(玉ねぎ、千鳥酢)
- 野菜たっぷりのアクアパッツァ
- 7分づきごはん
昨日の魚の残りで人生初アクアパッツァでございます。煮魚の成功に味を占めたらしい。冷蔵庫の野菜、あれも入れてみよこれもどうだ、と切ってたら結構収拾付かない量が出来てしまった。魚に焼き目付けるか迷ったのだが如何せん野菜が多かったので、とりあえず最初ににんにくとオリーブオイルで軽く炒めて(じゃがいもと人参はさすがに下茹でした)から魚と昆布だしと昆布だし入れて蒸し煮にする感じに。色々レシピ見て、大体こんな感じやろ、と適当に作ったが美味しかったです。唐辛子入れようと思って忘れてたのとにんにくもっと入れて良かったかもな。あんまり香りなかったわ。潰して入れたけど微塵切りとかの方がええのかしら。野菜たっぷりなので結構水分が出るのだが、そのスープでリゾットとかしても美味しそうね。深型のフライパンで作ったけど、よく考えたらバーミキュラ使えば良かったのでは。今度は唐辛子とバーミキュラ忘れないようにしよう。
冬瓜の崩し汁は、一日おいた方が味が馴染むかなと思って前夜に冬瓜を鬼おろしでおろして出汁で煮たものを作っておいた。具材ともども冷蔵庫でようく冷やした冷たいお汁です。冬瓜よく絞ったつもりだったけどやっぱりちょっと水っぽくなるな。鬼おろしの食感は良いけど。冬瓜なかなか難しい。鰹多めに出汁とれば良かった。焼き茄子は最近急激にハマった。IHのグリルなんてべろべろに舐めてたけど、意外に美味しく出来るもんだな。茄子が良いのだろうか(頂きものですありがとう)。
2018年10月4日(木)夕ごはん/煮魚と焼き魚
- 叩ききゅうりと冬瓜のピリ辛サラダ
- 焼き茄子
- 材料:茄子
- 調味:昆布とかつおのだし、生姜の絞り汁
- 平アジの煮付け
- 材料:平アジ、白葱、生姜
- 調味:昆布だし、日本酒
- 太刀魚のムニエル
- 材料:太刀魚、にんにく、パセリ
- 調味:オリーブオイル、小麦粉、黒胡椒、日本酒
- 焼きカマス
- 材料:カマス
- 調味:日本酒
- 赤米入りごはん
- 材料:5分づき米、赤米
煮魚はダシではなく水で煮るらしいが、無加塩だとちょっと頼りないかしらと思って水出しの昆布だしを用意。平アジは内臓あった部分を中心に日本酒で洗い、念のため霜降りしてみたら一瞬で皮がべろんってなってギャーと思ったが、まぁ見た目の良し悪しより生臭くない方が重要だよな…と潔く諦め。昆布だし入れた鍋に生姜と半量と共に入れて煮て、後から白葱入れて残りの生姜も追加。冷ました方が味入るかな、と思ってそのまま冷まして食べました。醤油もみりんも入れてないので煮汁は透明に澄んでてきれい。ただ無加塩の煮魚なんて食べたことないし、なんせ初煮魚だし、かなり不安だったけど、食べてみたらえらい美味しくてビックリ。全然臭みないし、もちろんしょっぱくはないものの味もしっかりある。ほのかに生姜も香り、こわごわ煮汁飲んだらこれがまたウマイ。素麺とか入れたい。ヘタに居酒屋で頼むあまじょっぱい煮魚より余程うまいぞこれ……。ちょっと感動しました。素材に依るところは勿論とても大きいが、良い魚が手に入るなら無加塩煮魚めちゃくちゃアリやな。
太刀魚も日本酒を纏わせてしばらく置いたのち、クッキングペーパーで水分しっかり取って小麦粉と黒胡椒。潰したにんにくとオリーブオイル入れたフライパンをゆっくり熱して香りだして、ジャッと両面焼く。ここに越してきてからの経験上、白身魚はだいたいこれで不味くはならない。というかこれしかしたことない。ワハハ。カマスも同じフライパンで焼いたが、こちらは普通に焼いてみたかったので、フライパンの半分にクッキングペーパー敷いてその上で焼いた。カマスって開かれて干されたイメージしかなかったけど、もとはこんな丸っこい円柱状の魚なんですね。かわいい。焼き方とかかなりテキトーだったけど、身がふんわりしててジューシーで、とても美味しかったです。
魚料理って大抵下ごしらえで塩するし、それは味付け云々以前に水分出して臭みを消したり身を締めたりする作用があるというのは解るので、しなかったらどうなるのかな~と不安に思っていたのだけど、今のところ日本酒で代用できている感じ。味に関しても、さすが元々塩水の中にお住まいだっただけあって、わざわざ塩や醤油しなくても物足りなさはまったくない。カマスなんて香味野菜もスパイスも何も使わずただ焼いただけだが、充分美味しかった。これはとてもアリだな!いろいろやってみたくなってきたな!
2018年10月3日(水)夕ごはん
- 細切り野菜の炒めもの
- 材料:じゃがいも(男爵、赤いやつ)、玉ねぎ、人参、ピーマン、にんにく
- 調味:ベジブロス、オリーブオイル、黒胡椒
- サラダ
- 冬瓜の葛煮
- 材料:冬瓜、冬瓜のわた、生姜、青唐辛子
- 調味:昆布とかつおのだし、日本酒、ごま油
- 赤米入りごはん
- 材料:5分づき米、赤米
赤いじゃがいもがハムとかベーコンに見えて作った本人としてもエッてなっちゃうビジュアルでございます。シンプルに黒胡椒で味付けて、お弁当用に残したやつはガラムマサラと一味でスパイシーに。
冬瓜みたいな、皮剥いてワタ取って下茹でして…と行程の多い野菜、ややこ出来てからなかなか難しいのだけど、寝かしつけた後の夜中に下茹でまでして翌日出汁で煮ました。わたも入れたがちょっと苦みがあるな。そして唐辛子入れたからやさしそうな見た目に反しけっこう辛い。さらに翌日の方が味馴染んで美味しくなってた。
2018年8月15日(水)夕ごはん
ピーマンの炒めものは、最初エゴマの葉と炒めようと思ってたのだけど、エゴマ葉が割と枯れてたので急遽ミョウガ炒めに変更。薬味等で生で食べるイメージが強いミョウガですが、わたしは炒めものがとても好きです。ミョウガだけで炒めると、割とガツンとミョウガ味だけど、他の食材と炒めても程よく風味が残って美味しいな。
先月に子どもを産みまして、なかなか生活リズムが難しい。ごはんも夕飯以外マトモに作れていないが、料理は楽しいので何とか時間を作ってがんばりたいです。